前回の【履歴書編】の続きです。履歴書で良さそうな方が見つかると、いよいよ面接日時を調整して直接話をします。今回は面接時のポイントについて順番に解説していきます。
ベトナムでは面接のドタキャン、スルーは日常茶飯事?
面接日時を約束しても当日になって現れない、なんてことはベトナムではよくある話です。事前に連絡があればマシなほうで、現れない&連絡しても音信不通なんてことも普通にあります。こちらとしてはそのために時間を空けていたので腹立たしいですが、そこは「そんないい加減な人材を採らずに済んだ」と気持ちを切り替えるようにしましょう。因みに面接の遅刻なども時々ありますが、ベトナムは交通や事務所の立地の関係などイレギュラーが日本よりも起こりやすいです。なので多少の遅刻で事前に連絡をしてくるようであれば、まだ見切りをつけるには早いと言えます。
面接中のやり取りで考えること
性格がいいことをどこまで重視するか
まず大事なのは「いい子=優秀な人材」ではないということです。ベトナム人は日本人ほどすれていませんので、単純にいい子率で言えばベトナム人のほうが多い様に思います。但しそこを採用の基準にしてしまうと、「人はいいけど物足りない」スタッフを抱えることになりますので注意が必要です。我々が外国人を見るときはどうしても外国人補正が入ってしまうので、同じ態度であっても外国人と日本人のそれでは印象が異なります。なので客観的にきちんと自分たちが求めるスキルや資質を持っていそうか判断することが求められます。
志望動機を聞くことに意味はない
個人的には日本人相手にでも思っていることですが、ベトナム人「うちの会社に応募した動機は?」なんて聞くことは意味がないので止めましょう。志望動機が素晴らしいから採用、ちゃんと答えられないから不採用、なんていうのは正直判断の基準になりません。事前に志望動機を考えてきて話せる人はいますが、あくまで外面のための動機が大半です。似たような志望動機を他の会社で喋っているなんてことも十分あるわけです。むしろその答えに一喜一憂して踊らされてる面接官がいたとしたら、その人がお見送り対象でしょう。ただしこれまでの経歴やスキルなど一見関連性がないにも関わらず応募してきた、などであれば聞くのもありかと思います。その場合は聞き手を納得させるだけの論理的な返答ができるのか、という一つの判断材料をさぐることができるからです。
地頭を測れる面接官は強い
はっきり言って履歴書に書いてある経歴と殆ど同じことを聞いて完結するのであれば面接する必要はありません。ある一定の理論に則って書類上では量れない資質、能力を見極められる面接官が優秀な人材を確保できます。これはベトナム人を面接する際によく言われていることですが、その人の論理的思考力がどの程度あるかを面接時に判断することが大切となります。本人が予想だにしないような質問を投げかけたときにどのような回答をしてくるか、こういうところからも推し量ることは可能です。また外国語で面接となれば、それを上手く伝えることができるかの語学力を見ることもできるでしょう。よく半分冗談半分本気で、日本人上司とベトナム人部下で以下のようなやり取りの話題が上がります。
上司「どうしてこんなことをやったんだ!?」
部下「それがいいと思ったからそうしました。」
感覚で仕事をするなという話になります。ちゃんとしたベトナム人であれば自分がそういう行動をとった理由を自分なりの理屈で筋道立てて話すものですが、面接などでこの点を見抜けず疎かにすると、上のようなやり取りが発生してしまします。
自分を過大評価するのはそれほど気にしなくていい
ベトナム人と面接をする際、自己アピールで本来のスキル以上にアピールする人が見受けられます。ただこれはそれほど気にする必要はありません。厳しい言い方をすると自分を客観的に評価できていないということになりますが、日本人は自分を本来より謙虚に語る傾向がありますので、その逆バージョンです。一応本人が言っている八掛け程度に考えながら能力を判断していけば問題ないかと思います。
日本人同士の面接でも正確に見抜くことは難しいので、外国人(ベトナム人)となると尚更です。慣れないうちは戸惑いや失敗も多々あるかと思いますが、最低限のポイントさえ押せておけば大火傷することはないでしょう。