ベトナム女子のなりきりモデル

ベトナムで観光地、カフェ、その他写真映えするところに行くと必ずと言っていいほど、モデルになりきって友人同士で写真撮影に勤しんでいるベトナム女子を目にします。今回はそんななりきりモデルについて思うことを書きます。

日本人的な感覚、というか私の感覚

写真映えするところには若いベトナム女子が集まる。ということは若いベトナム女子を呼び寄せたいなら写真映えする空間を準備するのは必須なわけで、近代的なカフェなどはそれを意識したような空間があちこちに見られます。普通に記念撮影を撮るような感じではなく、あくまでモデル風に目線とかポーズとかをとりながら友達同士で楽しんでいます。混雑しているようなところであっても写真映えすると思えば、時に往来の通行人の邪魔になることも顧みず写真撮影をすることも珍しくなく、美しい自分を残すことに必死、といったところでしょうか。(よくあるパターンとして、伏目がちな視線、どこか遠くを見ているような目線のカットがやたら多く、ピース、思いっきり笑顔、カメラ目線、などはほとんど見られないのが記念撮影との違い。)

(こういう写真の「撮られ方」をレクチャーしているウェブサイトも多い)

ここまで自分がモデルになりきれるのもある意味凄いといつも思いますし、大勢の前で素人がモデルになりきることに「恥ずかしくないのかな?」と思うことも。。。多分日本人女性は人前でここまでなりきるのはキツイという人が多いんじゃないでしょうか。SNSでも日本人女性とベトナム人女性があげている写真の種類を見ていますとこの辺りの差が顕著に出ます。これについて「日本人は人目を気にしすぎる」みたいに言われることもありますが、別の角度から見ればそれは自分を客観視できているという言い方もできるわけで、捉え方次第かと思います。

きれいに撮れた写真はSNSへ

(閲覧用ではなくインテリア、もとい撮影用のアイテムとして書籍を置いてあるカフェも多い。提供:Đông Dương Cafe(04 Lê Quý Đôn, phường 1, TP Vũng Tàu))

ベトナム女子のお気に入りの写真、きれいに撮れたと思う写真はSNSにてお披露目です。ベトナム女子はそのために撮っているといっても過言ではなく、毎度色々なベトナム女子のなりきりモデル写真が投稿されています。これに対して他のユーザーからの「いいね」やコメントがあるわけですが、これらのコメントを見ていますとベトナム人女性ユーザーからは「かわいい」といったコメントがたくさん寄せられる一方、ベトナム人男性ユーザーは基本的に本当にかわいい女子の写真にしか「かわいい」系のコメントをしない傾向が見られます。この辺りは日本人でも似たような感じだと思いますので、ちょっと「男」と「女」の思考回路という部分で考えてみます。

男女それぞれの「かわいい」基準

男が女を見て「かわいい」というときは「他の女と比べてかわいい」という場合が多く、比較対象がその女と他の女との2者以上なのに対し、女が女をかわいいというときは「その女の中でかわいい」、つまり比較対象が当該女の1者であることがよくあるのかと。だからインスタ映えするようなきれいなところで写真を撮れば当人も映えるので女からは「かわいい」という評価になりやすい一方、男からするとそもそも当人であることは変わりないので、他者との比較でかわいいと思わなければかわいいという感覚にはならないのでしょう。

男性で女性のルックスについて褒めるのが上手い人はこの女性的なかわいいの使い方を心得ている人が多いように思います。

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