実習生の人権が日本国内で保障されていないという問題はかなり前から取り上げられています。きちんとした受け入れをしている企業は、これについての世間からの風評被害が結構あるそうなんですが、これだけ世間から言われるようになっても依然として劣悪な状況下で使役している企業、管理団体も見受けられます。その中でも実習生の妊娠や出産に関する件はデリケートな問題なんですが、先日日本で起きたベトナム人実習生の出産に関する事件記事を読んで、個人的に思うことがあったので書きたいと思います。
ベトナム人実習生が出産した子どもを遺棄した事件
事件に関する世間の反応とは
双子の赤ちゃんを産んだベトナム人実習生が、子どもを遺棄したという事件がありました。事件の概要についてはこちらをご覧ください。
この事件に対する世間の反応は様々ですが、やはり実習制度の闇を指摘するコメントが目立ちます。一応記事でも言われている通り、現在の実習制度の中でも妊娠や出産を理由に強制解雇、帰国させることはできないということになっていますが、依然として「妊娠してはただでは済まない」という感覚が実習生の中では根付いているということなんでしょう。
個人の責任についてはどこまで追及すべきか
どのような場合であれ身体や生命を危険に晒すようなことは肯定できませんが、妊娠という事実についての責任はどこまで個人に責任を追及するべきでしょうか。今回の容疑者は実習2年目ということなので、日本へ来てから妊娠したことが窺えます。特殊な場合でない限り、相手の男性が誰かということも分かると思いますので、男性も含めてこの件に関して責任を負わせる必要はあると思います。こういう話になると実習生の日本国内での立場の弱さ、環境の問題、経済的な苦難などを理由に盲目的な擁護論者が現れますが、そこと妊娠に対する責任は全く別物として捉える必要性があると感じています。
自分の子どもを手にかけるとはどのような気持ちだろうか
まともな神経であれば自分の子どもを手にかけて平気なわけがありません。そこまで精神的に追い込まれていたと言われればそれまでですが、生まれたばかりの子どもを手にかけることについて肯定は全くできません。実習生と言えど恋愛や性行為の類を禁止する必要はないと思いますが、その分個人で背負う責任も明確にしていかないといけないのではと感じます。
私もベトナムで暮らしていて感じますが、外国というのは制度上自国民以外に対して冷たいところがあるものです。あからさまな差別を受けて苦しむほどではなくても、その国の国民と同等の扱い、権利を持つことができないというのは普通にあると思っています。だからこそ海外で生活するには自衛やそれに関する意識というのが必要でして、何か問題が起きても自己責任という感覚が強くなっています。