望まない妊娠や中絶率が高まっていて社会問題となっているベトナムですが、今日はベトナムの避妊事情について。結婚前の若者や結婚後の夫婦間における避妊事情についてお話します。
ベトナムでも婚前交渉は普通になりつつかるが、、、
かつては結婚までは関係を持たないという国柄でしたが今となっては昔。若者の性の乱れを嘆く高齢層がいる一方で時代の流れには抗えない事情があります。しかし婚前交渉と避妊意識は全く別物でして、現在は若年層、特に学生層の望まない妊娠が増えていることから社会問題として取り上げられています。
学生に対する性教育の乏しさ
日本の性教育も遅れているとは言われていますが、ベトナムは更に遅れていると言ってもいいかと思います。高校生ぐらいの年代でも妊娠の仕組みを正式に理解していない割合が高く、これまで教育現場や周囲の大人もそういった教育については目隠しをしてきた結果です。これまでは婚前交渉が異例なのでそれでも良かったのでしょうが、昨今の事情から改めて考え直す必要があるフェーズに入ってきています。
避妊具事情
最も簡易的で手に入りやすい避妊具はコンドームですが、若年層には以下のハードルがあるようです。
・避妊具を買うのが恥ずかしい
まあ年齢を考えるとその気持ちは分かります。日本のように自販機で販売というのもないですしね。でもその恥ずかしさのために避妊しないというのは一生後悔することになるということも教えるべきなんでしょうね。
・お金がない
日本だと馴染みがありませんが、こちらでは薬局でコンドームをばら売りで購入することもできます(普通は箱で買いますが)。ばら売りでも正規の者は一つ1万VND(50円程度)ほど。ベトナムの高校生で都度その出費は少々イタイ、か?
・避妊具の粗悪品
製造元がよく分からないような安い粗悪品もよく出回っています。もちろんそれを使用すると失敗率が高くなるわけなので、普通は購入を避けます。しかし上で書いたように学生はお金がないから安い粗悪品を使ってしまうという事情もあると聞きます。
結婚後の避妊に対する意識
夫婦と言えど子どもを望まない場合は避妊をするべきですが、どうもその意識が低いベトナム人男性が結構いる模様。色々な話を聞いていると快楽優先で避妊しようとしない夫もいるようで、その場合は奥さんが自衛に走るということも多いのだとか。例えばピルを服用したり、避妊用のリングを中に装着したりなどで対応している女性もいます。こういった男性を満足させるための行動は健気だと言っていいのでしょうか?そんな女性たち曰く、
「こうすることで浮気防止に一役買っている。」
とのこと。ただこれらの対処を常にすると相応のお金がかかってきます。中には安い値段の粗悪品も出回っているようで、生涯子どもができにくい身体になってしまったりなどのトラブルもあるようです。
技能実習生の妊娠問題
続いて技能実習生の妊娠について。実習生は日本へ行ってから妊娠した場合の対応についてしばしば問題になりますが、日本へ行く前の妊娠についても現地ではよる話です。日本へ行く前に半年ほど現地の教育センターで日本語を学びますが、1か月に1回ぐらいは故郷に帰ることを許可している機関も多いです。
で、帰ったときに旦那と一発やって妊娠しました、なんてことが時々あります。ほとんどの場合は中絶という形で対処するのですが、そのことを日本の受け入れ企業に話すと印象が悪くなってしまうので、現地の機関でもみ消すことが多いそうな。
強制的に中絶を強いれば問題ですが、大体本人からの意思で中絶を選びます。というのも元々お金がないから日本へ働きに行くわけで、妊娠が理由で日本行きを中止した場合、自己都合なので支払ったお金は戻ってきません。そうなると大金を送り出し機関に払ったわ、日本で稼げないわ、生まれてくる子どもで更にお金がかかるわで一気に首が回らなくなります。日本で実習生を受け入れてる企業で、「実は来日前に妊娠していた」ということを知らずに雇用している企業は結構あるのではないでしょうか。