先日お亡くなりになった安倍元総理。突然の凶弾に倒れたということで日本国内でもこんな事件が起きるのかと改めて考えさせられました。今回の事件についてベトナムに居るからこそ感じることを書きたいと思います。
知らせはベトナムの速報を聞いて
「演説中に何者かに撃たれた」
こんな速報がベトナムのニュースで流れたことで初めて事件を知りました。元々日本の総理大臣はベトナムの時事ニュースでもよく取り上げられるのでそれ自体は特に不思議なことではありませんが、ベトナム人にとってはそれが「安倍晋三」だったことに大変ショックを受けているようです。他の総理と比べても在任期間が長かったので広くベトナム人から認知されているというのもありますが、そういうものとは別の次元でベトナム国民から人気のあった首相だったと言われています。SNS上でもベトナム人によるお悔やみの投稿が多数見られますし、ベトナム人と何かしら世間話になると大概「アベシンゾー」の話題を振られます。
なぜ人気があったのか?
改めて何で人気があったのかと思い、色々な人に聞いてみますと以下のような返答が目立って聞かれます。
①ベトナムに対する経済的な援助
日本は新興国に多額の資金援助を行っていますが、ベトナムもその対象となっています。ベトナムの経済発展や暮らしの向上などに貢献してくれた日本の総理としての印象が強いとのことです。海外の資金援助については日本国内でも色々な声が聞かれますが、一応ベトナムに限っていいますとそういった援助に対する恩義はきっちり感じている人が多いことが窺えます。
②日本国内での給付金
コロナ禍に10万円の給付金がありました。スピードを重視するためにあらゆる層に給付したことから物議を醸しましたが、その対象にベトナム人(外国人)も含まれていたことが大きかったそうです。ベトナム人は今や日本在住外国人の多数派なので実際に給付を受けたベトナム人は当然のこと、ベトナム国内のベトナム人からも日本で苦境に立たされている同胞を援助してくれた「日本の総理」という印象があるようです。
③顔つき
顔つきが柔和でよく笑っているイメージがある総理なのだそうな。岸田総理や前の菅総理と比べても「優しそうで親近感をもてる顔」だそうです。上2つの理由に加えてこの顔つきだから余計に親しみやすい、といったところでしょうか。
主にこういった理由から人気のあった総理として、今回の事件はベトナム人にとって悲しい事件となっています。個人的には日本国内では元々のアンチがいたり、いくつかの疑惑などを持たれていたことから好き嫌いの別れる総理といった印象ですが、ベトナムでは支持率抜群の総理だったんだなぁと今回の事件を通して知ることができました。ご冥福をお祈りいたします。