西遊記…今の子どもは知っているんでしょうかね?少なくとも私の世代以上(30代以上)の人であれば誰でも知っている超有名なお話だと思います。ベトナムでも有名でして、中国の作品が輸入されて長く親しまれています。今回は日本の西遊記で育った私と中国の西遊記で育った妻とのやり取りから疑問に思ったことを書きます。
妻のゆる~い記憶
妻とテレビを見ていたとき、西遊記が放送されていました。それを見て、
「懐かしい!子どものときよく見たわ~日本にもあるの?(*^-^*)」
こちらで放送されている西遊記は中国で放送されているドラマをそのまま輸入したもので、30年以上前から同じものが何度も再放送されているようです。ベトナム人が演じたアレンジ版とかはないみたいですね。
とりあえず妻に聞き返します。
私「この話、なんで旅してるか知ってる?」
妻「えっ?何か本を探すために中国を旅してるんでしょ??」
私「本・・・???」
肝心のストーリーが頭に残ってないー!うちの妻あるあるです。
沙悟浄のなぞ
さて、ベトナムの(厳密には中国の)西遊記を見て思ったのは、沙悟浄が河童じゃないということ。。。考えてみれば河童は日本の妖怪ですから中国には出てこないでしょうし、西遊記の作成にあたって日本から河童を輸入したと考えるのも少々無理があります。
というわけで何で西遊記が日本に来たときに沙悟浄が河童になってしまったのか調べてみました。
孫悟空、猪八戒はそのまま猿と豚なんでわかりやすいですが、沙悟浄は中国では以下のように定義されています。
「きわめて人に近いいで立ちをしているが、顔色は人そのものではない」
なので何かの動物になぞったものではないということです。で、この妖怪は元々中国にある架空の「流砂河」というところに住んでいたようですが、流砂河とは字の通り流砂が河のように起こる「砂漠」です。
ところが日本に入ってきたときに、日本には流砂が起きるような大規模な砂漠はありませんから、流砂河をそのまま「水が流れる河」の名前と解釈してしまったんだそうな。そこで
「河にいる妖怪って河童じゃね?」
てことになり、日本の沙悟浄が誕生したというわけです。つまり勘違いから生まれたキャラなわけですね。
現在西遊記はアジアを中心に数か国に広まっているようですが、日本では沙悟浄がオリジナルの妖怪になっていたり三蔵法師を女性が演じていたりと原作よりオリジナル要素が高くなっているそうです。私が子どものときに漠然と見ていた話が、こんな形で詳しく知ることになるとは思いもしませんでした。