先日まで気温が10~13度ぐらいになることが続いたハノイでしたが、天気も回復、若干寒さも和らいだ気がします。今回は寒いハノイで見られる環境とそれについて考えた話です。
寒いけど耐えられんことはない
元々寒いのが好きな私なので、このような気温は嫌いではありません。というか日本の寒さを知っている人はまだそれより上の寒さに耐性があるはずなので、「寒くてどうしようもない」というレベルとは感じていないでしょう。ただ中途半端な寒さなので暖房設備が家にないのが少々こたえます。ベトナムのハノイにおける一般的な家庭では自宅にストーブの類がないのは普通ですし、やっぱり日本人であればこの気温だと湯につかりたいと思うんですがバスタブもありません。なので基本は着込んで寒さを凌ぐというやり方が一般的になります。
この気温下でベトナム人の家に行くと、家の中にも関わらずダウンを着込んで生活している人やニット帽をかぶったままの人がいるのも珍しくありません。また居住区では外に人があまり出なくなるので何となく普段より街も静かな印象を受けますし、少しバイクを走らせると路上で焚火をしているオッサンもチラホラ見られます。
山岳部に行くと気温0度とかになるので、そういう地域では暖房設備があるのが普通ですが、田舎では今も練炭で暖を取る家が普通にありますので、この時期一酸化中毒で死亡する事件は一種の風物詩のようなところがあります。天気予報などで都度注意喚起はしているのですが、毎年無くならないのが現状のようです。
寒いから学校を休みにする
ハノイに限らずベトナムでは一定の気温下になると休校にする規定があります。省によってその気温の基準はまちまちですが、大体10度前後が目安になります。今はオンライン授業が確立されてますので休校でも自宅でオンライン授業という形をとっているようですが、正直日本で育った私からすると「これぐらいなら学校行けよ」とも思います。ただまあベトナムの公立学校は教室にストーブがあるわけでもないですし、隙間ありありの扉や窓なので寒いといえば寒いんですけどね。どっちにしても親が子供にとる防寒対応が日本のそれより強いように感じています。
私が小学生の時は一年中半袖半ズボンを誇りにしているような友人が何人かいまして、周りの大人も「元気だな~」と微笑ましく見ているような環境でした。これをベトナムでやると確実にクレイ〇ー扱いですし、どこぞのお節介年寄りが出てきて親と子もろとも叱り飛ばされるでしょうね(ベトナムでは赤の他人にいきなり怒られることがよくある)。「子どもはかぜの子」なんて言っても妻からすれば「???」な反応です。
そういえば日本人
良いか悪いかはともかくベトナムに住んでいますと日本人は寒さに耐えることが好きなのかな?と思うことがあります。教育の一環として耐寒マラソンや耐寒登山たるものが私が小学生のときにありましたし、体育の授業でも上着を着ることは禁止、「寒いなら体があったまるまで走れ!」なんて授業でした(それで体から闘気のような湯気を発してた友人もいたっけな?)。
寒稽古とか寒中水泳とか寒さに耐える強靭な身体を作るという趣旨のもとしごかれたのはいい思い出です。これも昭和生まれまでの話かもしれませんが、やっぱりベトナム人からすると理解不能でしょうね。これもれっきとした文化の違いかと思います。
因みに乾布摩擦、あれはダメ。現代では身体によくない行為として医学的に証明されているようです。敢えて肌を傷つけることにより免疫を逆に低下させることになるのだとか。完全に精神論に基づいた行為だったようです。そう考えると幼稚園のとき、真冬に上半身裸になって乾布摩擦をするという授業がありました。寒さでギャーギャー言う園児に対して「体をあっためるためにもっとしっかり擦りなさい!」と怒る先生。終わったら「これで風邪ひかない丈夫な体になったよ」なんて言われたのも今は昔。現代だったら虐待ですな(笑)