野菜に含まれる栄養素を一番損なうことなく食べる方法は温野菜であると何かの本で読んだことがあります。生よりも蒸して食べるほうがいいのだと。あと余計な調味料を使わずに煮ることもいいのだそうな。
ベトナムの伝統料理?「茹で野菜」とは
ベトナムで伝統的?な料理で「rau luộc(ザウ ルオック)=茹で野菜」というものがあります。料理といっていいものか、調理法はただ煮るだけ。たまに塩を入れこともありますが、とにかく沸騰した湯の中に空心菜とか白菜とか何でもいいから野菜をぶち込んで、柔らかくなるまで煮るといういたってシンプルなものです。もちろん味はダイレクトにその野菜の味ですから、食べるときにベトナムの調味料(ヌクマムやヌクトゥオン)などをつけて、味をごまかしながら食べるわけです。美味いと思って食べるというよりは調理が手軽で栄養も取れるという料理?です。うちの食卓でもよく出ますが、晩酌のアテや箸休め的なものとして食べていますし、娘も茹でただけのブロッコリーをそのままかじってます。
これが日常の食卓に並ぶのはどこの家庭でも同じですが、外国人の場合はこれを抵抗なく食べられるかどうかも、ベトナム人と共同生活が送れるかの判断材料になります。
ベトナム人女性による自虐ネタ
家庭料理ですので、レストランで注文することはあまりありませんが、大衆食堂(cơm bình dân)へ行けばよく目にします。大衆食堂ってなんだと思う方は 「cơm bình dân 」で画像検索してもらえればすぐイメージが沸くでしょう。
さて、ベトナムの女の子で時々「私の得意料理は茹で野菜」と答える人がいます。これは自虐的に料理が上手くないと言っているわけで、「野菜を味付けなしで煮ることしかできないわ」という意味合いになります。ベトナムの年頃の女の子は誰でも料理ができるのが普通でしたが、最近では20代の子を中心に徐々に料理を知らない子が出てきているとのこと。さすがに私でも毎日家で煮野菜ばっかり食わされていたらキレると思いますので、そこは嫁に感謝したいところです。
ところでこの野菜を茹でたときに使った煮汁を付け合わせで飲むんですが、ベトナム人は最後にご飯を食べるときにこの煮汁といっしょに米をかき込みます。名前を「canh rau(カインザウ)」と言いますが、みそ汁のようなものかと言われるとそんな手の込んだものではありません。正直不味いです。こればっかりは私も好んで飲みませんし、ベトナム人も美味いと思って飲んでいるのか謎です。