ベトナムで生活していると色々な罰金場面を目にするかと思います。一番多いのは交通の取り締まりによる罰金ですが、他にもマンションの規定違反による罰金、あるいは会社内での規定違反による罰金などなど。日本人からすると「何か罰金多くない?」と思うこともあるんじゃないでしょうか。今回はベトナムにおける罰金文化の紹介とそれに関する私見を書いていきます。
様々なところで目にする罰金場面
罰金の例
・国が定める罰金制度:交通違反を筆頭に不法投棄やその他公共に対する違反行為に対する罰金全般⇐これについては日本のそれと遜色はありません。
・民間、個人が定める罰金:⇐今回のメインとなる論点です。以下に具体的な例を挙げて見ていきましょう。
マンションの規定違反に関する罰金
よくあるのは「ここにゴミを捨てたら50万VND罰金」や「宣伝用のビラ配りをしたら罰金50万VND」系です。日本人住居者であれば普通にしていれば罰金対象になるような行為をすることはないとおもうので特に怖がる必要はありません。私のマンションではエレベーターの中でフルーツのゴミを捨てたベトナム人が罰金になっていました。エレベーター内にカメラがあるとは思わなかったんですかね。掲示板に「~号室の~さんが・・・」みたいな公開処刑をする予定だったそうですが、本人が懇願してそれは勘弁してもらったようです。中々怖い管理会社ですね。
社内規定の罰金
遅刻をしたら5万VND罰金みたいな規則を定めているところもあります。日本人はこの罰金制度を嫌う人も多いので日系では少ないですがローカルでは普通です。
学校での規則違反による罰金
「え!?学生から金取るの?」と思うかもしれませんがベトナムの学校ではよくあります。先生も気に留めません。徴収された罰金はプールしてクラスのレクリエーション時の資金にされるようです。金額は5000~10000VND程度と学生なので金額は安いです。他にも実習生の送り出し機関でも罰金のルールを定めているところは多いです。
なぜ罰金文化が浸透している?
ベトナム人と話し合って、規定違反をしたらどうするか?という質問を投げますと「罰金にしましょう」という答えがよく返ってきます。「何でもかんでもすぐ罰金にすな!!」と思いますが、そもそもそういった思考回路になる背景を考えてみます。
管理する側の都合
誰でもお金を失うことは嫌なのでルールを守らせるには罰金が一番手っ取り早いということに尽きます。ある程度の集団を管理する上ではそれが楽で、余計な意識教育をする必要がありません。本当に意識を改めさせるという点では罰金は効果的ではないのですが、そこまで考えることはありません。
昔から罰金が身近な制度
上でも書きましたが学生の頃から罰金制度の中で育っています。学校の先生ですらそれを肯定するわけですから、罰金そのものに対する後ろめたさはありません。なのでお金を徴収する側も払う側もこの制度そのものに疑問を感じることがないのでしょう。
あなた(日本人)が管理職だった場合
あなたが管理職として現場のベトナム人にルールを遵守させる必要があった場合はどうするでしょうか。もし違反者に根本的な意識部分まで改めさせたい場合はその該当者が違反をするたびに個別にコミュニケーションを取る必要が出てくるでしょう。ただたとえそれを実践したとしても意識を改めてくれない可能性も十分あります。そうなった場合でも粘り強く訴え続けるか、あるいは罰金制度で管理することにするか、その選択を迫られるときがくるかもしれません。