ベトナム語の「水」ついての話。ベトナム語の超基本単語に「nước」という単語があります。「水」や「国」という意味ですが、習いたての時期には少し発音が難しい単語でもあります。今回はこの「水」に関する語彙的な定義を少し書きたいと思います。
「水」という意味合いで使われる場合、どうも日本語の水と完全な互換性があるというわけではなさそうです。普段生活しているとよく聞くことがあるのですが、ベトナム語でnướcと言われても必ずしも「水」を指すわけではありません。
正確には「広く液体物であるもの」といったとこでしょうか。そこからこの単語が使われるシチュエーションに応じてその液体物が何を指すのかを判断するような感じです。なので所謂「飲み水」も他の液体物とはっきり区別して伝えたい時は「nước trắng」と言ったりします。
またときにはお茶に対しても「nước」が使われることがあります。しかしお茶の定義も日本語のお茶とは少し異なり、特定の葉(つまり茶葉)から漉された飲み物のみをお茶と呼ぶそうなので、その特定の葉に属さないお茶のような飲み物に対してnướcと呼んでいるようです。
なので以前私が家にいたときに、嫁からnướcを飲むかと聞かれましたが、それを水と解釈した私は断りました。しかしお茶のようなものが置いてあったので、飲もうとした私に
妻「いらないっていったじゃん。」
と言います。
私「水はいらんけどお茶は飲む。」
と言うと
妻「それお茶じゃないよ。」
私「???」
どうも日本人が考えるお茶とベトナム人にとってお茶は完全に一致しているわけではないようだと気付いたやり取りです。こういった内容が説明されているベトナム語の参考書はありませんので、やはり生活から学ぶ語彙というのは貴重だなぁと改めて実感します。子どもの語学習得にも言えることですが、体験で学んだ言葉というのは忘れないものです。