日本とベトナムでは平均年齢が15歳以上離れていますが、同じ年齢に対する目線も日本とベトナムでは異なってきます。またベトナムでは50代というとおじいさん、おばあさんの部類に入る年齢層ですが、日本でそれを言ったら怒られること必至です。そんなベトナム人から見るおじいさん、おばあさんの入り口に入っている日本人の50代。しかし場合によっては感心される可能性もあります。この記事ではどんな50代日本人が感心されるのかについて書いていきます。
ベトナム人の50代とは
語弊を恐れず書きますとベトナム人の50代は前時代的、つまり現代的な感覚やスキルを持っている人が少ないです。ベトナムに住んでいれば分かると思いますが、これらの世代で働いている人は市場や個人商店、マンションやビルの警備、店先のバイク整理などの仕事をしている人が多く、所謂背広組はほとんどいません。また感覚も前時代的、つまり良くも悪くも昔のベトナム的な考え方を中心に生きていますので、今の若者からは「古い考え方」の代表世代になります。
つまりこういったベトナム人の50代以上の世代に対して、日本人の50代がより近代的であればあるほど一目置かれる可能性があるというわけです。以下で具体例を挙げながら見ていきましょう。
50代以上の日本人が一目置かれるケース
ITスキルが高い
ベトナム人の50代以上でITスキルがある人は滅多にいません。ITといってもパソコンでネットを見ることもできないという人も普通にいるかと思います。さすがにそれができるからと言って一目置かれることはありませんが、それなりにofficeを使いこなしたり、それこそITスキル(プログラミングなど)を持っている日本人は一目置かれることでしょう。ベトナムではITと年寄りは対極にあるものですので、「やっぱり日本人は違うな~」と思われます。
語学力が高い
基本的に年配世代は外国語ができないという認識ですので、50代以上で流暢な英語を操って仕事をしていればそれだけで尊敬に値します。もしその外国語がベトナム語であれば更にその尊敬度は高まると思いますが、さすがによほどベトナムでの経歴が長いとかでなければ、短期間でそのレベルまでもっていくのは難しいでしょうから、とりあえず英語でもOKかと。
ベトナム人の一般的な生活文化に入り込める
これは適応という言葉でも表すことができます。一般に年齢が高ければ高くなるほどこれまでの環境と異なるものを受け入れることが難しくなると言われていますが、ベトナムでもそれは同じです。例えば料理一つとってもそうですが、ベトナム料理を普通に受け入れる人とそうでない人では印象がかなり変わってきます。ベトナム人も相手がそれなりに年齢がいってる人であれば「お年寄りだから仕方ないか」という目線になりますが、そこをうまく適応できている人は「年齢が高いのに柔軟性がある人だなぁ」と一目置かれることになります。
ベトナム人の若者と近い価値観を持っているか
やはりベトナムのお年寄りよりも若者寄りの価値観を持っている人は親しみを持たれます。この価値観とは色々ありますが、例えば結婚に関する価値観でも今のベトナムの若者世代とお年寄り世代は大分変ってきています。ベトナムではこれまで「女性は25歳ぐらいまでに結婚して、30歳になるまでに何人か子どもを持つべき」みたいな感じでしたが、最近では大学進学も増えており、「25歳なんてあっという間じゃない!」と考えている人も増えています。30歳手前で結婚相手がいなければ帰省するたびに親から結婚の話を持ちだされてうんざりしている女性もたくさんいます。そんなときに「親御さんも心配だろうからいい人を早くみつけなきゃねー」なんて言葉をかければそれこそ年配のベトナム人と同じ扱いになります。そこは従来の結婚という価値観に一定の理解を示しつつも、今の若者の価値観に共感できるようなアドバイスを送れれば素敵な上司と思われることでしょう。
駐在でも現地採用でもそうですが、50代で海外に働きに行くというのはベトナム人には見られないものです。なので50代以上で海外に働きに来る外国人というのはそれだけで特殊なものなので、そこで自国の同世代の人との違いを見せることができる人は尊敬されやすくなります。