きっかけを作った家主に報告に行くことに
交際がしばらく続いた後に家主に付き合っていることを告げにいきました。驚き半分に嬉しいような反応をしていましたが、彼女(今の妻)がいないときに正直なところ将来のこともちゃんと考えて付き合っているのかと聞かれました。
もちろん遊びで付き合っているわけではないので真剣には考えていましたが、自分がベトナム人と結婚するとなると、果たして将来どちらの国に住むのか、私の両親はどう考えるのか、といったことが脳裏をよぎり、「結婚するつもりです。」とは即答できませんでした。
当時私の両親はベトナム人の交際相手がいるということは何となくで話していたので、恐らく将来的に国際結婚もありえるのだろうというぐらいの気構えはあったのかもしれません。しかし実際に結婚となると改めてきちんと話しておく必要があります。
そんなことを考えながら具体的に今の嫁にプロポーズをすることもなく、時間だけが過ぎていきました。
交際相手の紹介という感覚で実家へ行ったが
しばらくしたある日、家主から一本の電話が入ります。
「もう1年ぐらい交際しているわけだし、実家に一度挨拶に行ったら?お正月のときに一度会ってるから初対面というわけでもないんだしさ。」
いずれは挨拶に行かなければならないと思っていたし、これもひとつのきっかけかと思いました。家主は彼女の父親と連絡を取っており、どうやら私が娘と交際していたということは少し前から知っていたようです。
(*ちなみに家主と呼んでいますが、私は今の嫁と交際する少し前から別の住居に移っています。)
嫁の実家に行くと両親、お兄さんが温かく迎え入れてくれました。旧正月に会った時から1年以上経過しているので、ベトナム語でのやり取りも初めてのときよりかなりできるようになっています。食事の用意をしていてくれたので、家主を含む彼女の家族とお酒を飲みながら、色々な話を語らいました。
酒も進んで二時間ごろ経った頃でしょうか、嫁のお父さんと家主が「結婚式は春ごろが時期的にも一番いいな」みたいなことを話しています。私は半分酔っぱらっている状態で、
「結婚の話になってんの???」
と思っていました。今から改めて思うと、この時の挨拶はすでに結婚するという前提での挨拶だったんだと思います。彼女の家族は交際相手がどんな人か色々心配していたようですから、遂にフィアンセができたと安心していたそうです。なのでこの日は結婚の報告に来るという風に思っていたんでしょう。私と彼女以外は…
学生の頃、担任の先生から「結婚は勢いとタイミング」と言われたことがありました。私は高校生だったので、タイミングということは理解できましたが、勢いとは何ぞやと当時疑問に思ったものです。
しかし今ならそれも理解できます。ただ敢えて私の場合付け加えるなら、
「結婚は勢いとタイミングと流れ」
と言いたいところ。そんな感じで嫁の家族と家主が盛り上がっていたところの少し離れたところで、嫁は何やら微妙な表情をしていました。
結婚に向けての障害は特になし
彼女の実家に行ったときは結婚は将来的に程度でしか考えていませんでしたが、その時の話の流れでそれが確定的になり、自分の中でも一つの踏ん切りがついたような気持ちになりました。しかしその話で盛り上がっている場の中で嫁の表情は複雑。後で嫁に聞かれます。
嫁「こんな話になってるけど、あなたはどう思ってるの?」
私「まあ、これはこれでいいんじゃないか?」
嫁からしたら私から正式なプロポーズを受けるでもなく、勝手に話が進んでいくことに不安と若干の怒りを感じていたようです。まあそれもそうでしょう。普通の女の子なら恋人から甘いプロポーズを受ける時を夢見ている子も多いはず。それが自分は蚊帳の外で勝手に親族同士で話が進んでいくわけですから。さすがに私も申し訳ないと思いました。
ただしお互い結婚することに異存はなく、幸いにも日本側の私の親族も歓迎してくれています。まあもともと私の親は私のこれまでの経歴でも国際結婚はありえると思っていたようですし、ベトナムに住んでいるならベトナム人と結婚する可能性も十分あり得ると考えていたようなので、特に国際結婚することに関する驚きもなかったようです。
ここからは一気に結婚の準備に向けて書類申請やら式の段取りやらで日々が過ぎていきましたので、正直恋人同士という感覚からまた違う関係に発展したような気分でした。
今や結婚生活も時がたち、二人の子どもにも恵まれ日々楽しんでいます。国際結婚についてはいい話、悪い話どちらも耳にしますが、少なくともお互い不義理なことはせずに家庭を保てるよう努力していきたいと思っています。