コロナ禍で自由に行き来ができなくなった日本と海外。当初そのうち渡航規制が解除されるだろうと楽観的に思っていたらもうすぐ1年が経とうとしています。これまで一時帰国の度に日本で物資を補給してきた人にとっては結構な死活問題。今回は日本からの物資をどのように補給するかについて考えます。
人に頼んで持ってきてもらう場合
日越を往来する人にハンドキャリーで頼むというのは常套手段ですが、渡航制限があるのでまず行き来する人が激減していること、またその人自身の荷物もありますので、なくては絶対的に困るというもの以外を頼むのは気が引けます。特にかさを取るような荷物は負担が大きいので余程旧知の仲でなければ遠慮したいところ。
航空便は関税でかなり泣かされる
航空便で送ることによって物資不足は解消されますが、通常の配送料に加えベトナムのクソ高い関税で莫大な費用がかかってしまいます。例えばEMSを使ってベトナムに小包を送ったとします。
(*EMS:国際スピード郵便サービス。名前の通り郵便局で取り扱っており、ベトナムであれば大体1週間から10日前後で届きます。私もこれまで何度も利用していますが、届くのにかかる期間や中身の状態などは安定しており、信頼できる配達手段だと思っています。)
荷物を発送するときに日本の郵便局で中身のリスト作成を求められます。物品の名前と値段(新品で買ったものでない場合はそのものの大体の値段でOK)をかかなければなりませんが、大体ここで書いた値段の30%前後が関税としてかかってくると思ってください(税率は分類によって異なります)。つまり10000円のコートを送れば関税として3000円取られるわけですから、それなりの値段のものを複数送れば発送費用よりも余裕で高くつくわけです。
この税率についてはベトナム人からも高すぎると言われていますが、日本人でも初めてベトナムに移住した人で、後から航空便で日本から荷物を送ったら関税でえらい目に遭ったというのはよく聞く話です。
一応転売防止目的もあるらしい
日本で商品を大量に購入してベトナムで転売し大儲けしているベトナム人はたくさんいます。しかしこれによって儲けたお金は言わばアンダーグラウンドなので、個人所得税なり法人税といった形で国は徴収することができません。だったら商品を国に入れる時点で関税を高くして取ってしまえ、という目論見があると聞きます。まあ私たちのように普通に生活で使用するために送る立場からすると、ただただいい迷惑です。
因みに民間の国際便取扱業者で激安の関税率で配送を請け負っている業者があるようです。先ほど商品一つにつき30%前後の関税がかかると言いましたが、こちらの業者では関税ではなく「手数料」として配送料の他、各商品価格の3~5%を取っているようです。しかしどちらにしてもベトナムに商品を入れる前に関税を払わなければならないはずなのに、どうしてそんな価格でいけるのでしょうか?友人のベトナム人が言うには、
「税関職員と何かあるんでしょうね。手数料というのはそのための料金も含んでるんじゃないかな。」
とのこと。値段は安いとはいえ、安全性や透明性がありませんので業者の具体的な情報は控えさせて頂きます。どうしても気になるという方は周りのベトナム人に聞いてみればすぐに分かると思います。利用の有無は自己責任でよろしくお願いします。
正攻法で物を送ると多額の費用がかかりますので、そこまでしてでも欲しいものかを考えさせられます。そんなことを考えなくてもいい世の中に早くなってほしいものです。