前回の[ベトナムで働きたい:どうやって就職する①]では主に人材紹介会社の利用について解説しました。今回はそれ以外の方法を具体的な事例を合わせて紹介していきます。
求人掲載サイトを利用する
日本の求人掲載と同様にベトナムでの求人投稿サイトを利用する方法があります。主に若い方向けになりますが、有名どころでは「カモメアジア」などがあげられます。こちらは企業に直接応募する形になりますので、第三社から企業情報が得られにくいところに若干の難があると言えます。
またベトナム当地ではこの手の求人サイトに掲載して日本人募集する企業は少ないので、出会う求人数はやはり少なくなります。求人サイト一本でいくよりは人材紹介会社との併用が良いでしょう。
大まかな相場を知るには価値あり
ベトナムで初めて就業となる場合、現地の相場がほとんど分からないということもあります。そこで情報収集のためにこういったサイトに掲載されている求人情報から現地の雇用相場を知るということができます。人材紹介会社のウェブサイトにも求人情報は掲載されていますが、概要のみで社名はもちろん、規模や場所の詳細なども伏せられていることがほとんどなので漠然としてしか把握ができません。
「現地の相場をざっくりと知りたいけど、人材紹介会社に登録して直接面談するのはまだかったりぃ~な~」なんて人は第一ステップとして求人投稿サイトを覗いてみるのもいいかと思います。
知り合いの伝手から就職
いわゆる「縁故採用」と呼ばれるものです。こちらは現地にある程度の人脈がないと実現は難しいですが、ベトナム国内で転職をする人はこの手段を利用する人も一定数います。雇う側も雇われる側も就業前からお互い知っているというところに安心感があります。人材紹介会社への登録や面談、それ以外のプロセスなどがありませんので求職者にとっては楽ですし、採用側も余計な採用コストがかからないというWinWinなところがあります。
知り合いのところに就職すると・・・
スタートの段階ですでに顔なじみの関係というのは非常に働きやすい気もします。しかし必ずしもうまくいくわけではないということは知っておくべきでしょう。縁故採用で入社してもすぐに退職になってしまうケースは結構あります。主な理由として、「ビジネス外での付き合いとビジネス上での付き合いは全く別物」ということが挙げられるかと思います。
実際に一緒に働いたことはないけど、日ごろのプライベートな付き合いの中で「この人はすごく仕事ができる人だ」と感じる機会はよくあります。しかしいざ実際一緒に働いてみると、仕事のやり方であったり、スタンスなどが違っていて思っていたのとは違うということもあるものです。仲がいい友人を自分の会社に招いたものの、こういったことが原因で友情関係にまでヒビが入ってしまったということもよくある話です。縁故採用は入り口は楽ですが、そういったリスクもあるということを理解しておきましょう。
日本語教師の場合
就職の中でも日本語教師は日系企業よりも現地(ベトナム)企業に就職する人が圧倒的に多いです。ベトナムに限っては技能実習生を派遣する送り出し機関、留学生を斡旋する留学センターが圧倒的に多いでしょう。こういったローカル企業は日系の人材紹介会社や求人掲載サイトに求人を載せることは稀です。日本語教師の就職先に関しては「日本語オンラインや」「日本村」などの求人サイトをチェックすることをお勧めしています。また日系の教育機関は日系人材紹介会社に求人を出すこともありますので、人材紹介会社に相談してみるのも一定の価値はあります。ただしこの手の求人は大抵が経験者採用枠になりますので、初めて日本語教師としてスタートを切る人は対象外になる可能性が高いかと思います。
ベトナム企業に就職するという自覚
日本語教師はベトナムの会社に就職する人が多いので、企業文化なども現地のものに合わせることを求められます。日本的な感覚で「???」なことでも甘んじて受け入れなければならない場面もあるでしょう。単に仕事上のものならいいでずが、会社によってはビザの取得をちゃんとしなかったり、面接時に言っていた待遇をちゃんと守らないようなところもあります。そういった会社に当たらないかどうかはある意味運要素がありますが、少なくともこういったことがあり得ることは事前に知っておいて損はないでしょう。
以上がベトナムで就職するための手段となります。基本的に個人のスキルがしっかりしていれば就職の門戸が狭い国ではありませんし、日本語学習者が多い国ということで語学に対するハードルも他国よりは低いかと思います。