ベトナムでEコマース事業が不振?

ベトナムでEコマース事業の営業利益が不振とのこと。今回はそれについての現状を少し書きます。

ベトナムのEコマース

Eコマース事業と言えばインターネット上で商品売買をする事業で、日本であれば楽天などが代表的かと思います。一昔前は通信販売などといった類のビジネスなわけですが、近くに店がないなどで買い物の幅が制限される人にとっては非常にありがたい存在です。他にもかさばる物やまとめ買いなどで家まで届けてくれるサービスの恩恵を受けている人は多いことでしょう。ベトナムにもこういったものと同じサービスが普及しており、Shopeeやtiki, LazadaといったEコマース事業はとても有名です。しかしこれらの大手サイトも営業利益が良くないそうで、それには以下の事情があるようです。

ベトナム人はネットで大口の買い物をしない

ベトナム人はネット上で一定以上の金額の買い物をしたがりません。これが売上が上がらない大きな要因です。というのもある程度高価な商品は偽物がまぎれている可能性がある社会なので、消費者も現物を見ないで高価な商品を買うことに抵抗があります。また偽物の商品が届くだけに限らず、もしかしたらお金だけ取られて逃げられるのではないか?そんな警戒心が日本人よりも高いので100万VND(5000円程度)ぐらいまでの買い物でのみネット販売を利用するという人が大半のようです。

後は高価なものをネットを介して買う場合、こういったEコマースを介するのではなく顔見知りや信頼できる人からの紹介で知った、個人で営んでいるウェブサイトやSNSを通じて購入する人が多いので、これもEコマース事業の利益が伸びない理由となっています。

日本の会社もベトナムのEコマース事業に乗り出す検討をしているところがあったようですが、こういったベトナム社会の現状を知って断念したんだそうな。そらそうよ【岡田】

偽物や不義理な商売がはびこっている社会で顔も現物も見ることができないネット売買はリスクが高すぎます。なので自衛の意味で損してもある程度諦められる金額の買い物だけがネット利用されるわけですが、デジタル技術にビジネスモラルが追い付いていない典型的な例かと思います。

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