ベトナム社会における大人のおもちゃ事情

フェイスブックの広告などで時折見かける大人のおもちゃの広告。ベトナムではポルノ関係はアウトということで、前々から販売の違法性がないのか気になっていました。ベトナム人の友人に話を聞いてみますと店舗として構えている店もあるようですが、その辺りの合法性については分からないということで、今回は個人的に気になったベトナム社会における大人のおもちゃ事情について書いていきます。

実際のニーズは?

広告では見かけますが実際に普及しているのかというとそれほどでもないと思われます。この手のグッズは大体女性向けのものでありますが、自らそれを買ってどうこうという人はまだ一般人には多くないでしょう。そこには買うことについての恥ずかしさや、抵抗があるものであるという認識が強いことが窺われ、多分日本人のそれと似たようなものだと推察できます。

一方でこの手の商品に関する興味や好奇心という点ではまんざらでないベトナム人女性も多く、女性同士あるいは男性も交えた上でこの手の商品について面白おかしく話されている場面も時折見られます。改めて言うのも何ですが一般のベトナム人女性は性行為に対して保守的な人が多い一方で、自他共に認められたパートナー(つまり夫や彼氏など)に対しては探求心が強いように思われます。女性同士でもそれに関する話はよくあるようで、夫婦の性生活についての話や悩み、満足度、具体的な行為などは親密な関係であれば世間話の一つとして扱われています。決まったパートナーに対してだけ自己の快楽を追求する、まあ健全と言えば健全ですね。

大人のおもちゃ販売の違法性

(「大人の店」という看板。入るのは勇気がいる。)

で、冒頭の大人のおもちゃを販売する違法性ですが、現行の法律に照らし合わせて考えると違法性はないようです。実際この手の商品販売を手掛けようとする業者がまず最初に考えるのは違法性の有無なわけですが、一応現在の法律上では販売の規制対象とはなっていませんでした。というわけで公に店舗を構えることもできるようですが、比較的南部のほうがこの手の店は多いように思います。

ただ露骨に性的なものを彷彿させるものは猥褻物として違法になることもあることから、あまりリアルな見た目のものは置けないという事情もあるようで、公に取り扱うことができる商品は外見上制限があるとのことです。よくこの手の商品を「ジョークグッズ」と表現することがありますが、建前としては性的おもちゃではないという形をとる必要があるのでしょう。一応ベトナムでもこの手の商品市場はそれなりの規模であるようです。

VnExpressの大手メディアでは大人のおもちゃについての有害性、危険性について取り上げられていました。要は適切な使い方をしなければ健康面や性行為に支障が出るというものです。こういった大手メディアでも堂々と取り扱われるということは社会的にもそれなりに認知されているものであることが分かります。

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