ベトナムの子取り

子取りと聞いて具体的なイメージがわく人は昭和前半生まれですかね。私は生でその類を見たことはありませんが、幼いときに「夜一人で外に出ると子取りにさらわれるぞ」とよく父親に言われたものです。要は身代金や人身売買目的の誘拐犯といったところですが、今回はそんなベトナムの子取りについて書いていきます。

ベトナムの子取りが出る場所、売り飛ばし先

ベトナムでは子取りが現代でも問題視されていまして、山岳付近などの田舎でよく聞かれますし、ハノイのような都市部でも出現しています。売り飛ばし先は周辺国(中国)が多いようですが、さらわれた子が女の子であれば、無理やり婚姻関係を結ばされたり、売春業に従事させられたりするようです。

しかしベトナムの子取り、結構な年齢の子どもでもさらっていくのが恐いところ。実際に起きた事件で、ハノイに住む女子高校生をさらって中国の売春宿に売り飛ばした事件がありました。父親が警察に捜索依頼をかけてもベトナム国内で見つからず、結局捜査が打ち切りになったんだそうな。そんな中、父親は中国に売り飛ばされたと感じたそうです。でもって単身で中国に乗り込み現地で信頼できるパートナーを見つけ、捜索を続けて数年、ついに娘を売春宿で発見して取り返すことができたんだそうな。中国に単身で乗り込むために自ら中国語を学んで使いこなしていたとのことです。これはメディアでも大々的に報道され、その執念と子どもへの愛に大きな賞賛が寄せられていました。まさしく親父パワー、恐るべしです。

私の娘も子取り未遂に!?

家族で晩御飯を食べに行ったときのこと。嫁と娘(当時2歳)が一緒にトイレに行ったのですが、嫁が手を洗っている間にいなくなってしまいました。トイレは2階にあり私は3階にいたのですが、嫁が焦って私のところに来て、

「○○(娘)来てない!?」

と聞きます。状況がよく分からないまま「来てないよ」と答えると、嫁は急いで1階の入り口のほうへ向かいます。入り口付近の従業員に2歳ぐらいの子が通ってないかと聞いていますが、従業員は来ていないと答えます。で、結果ですが他の従業員に抱っこされながら戻ってきました。聞くと2階のトイレから出て階段で上に上がっていったようですが、3階を通り過ぎて従業員専用フロアの4階に上がってきたとのことです。4階に上がる階段には柵があって登れないようになっているのですが、2歳児の身体であれば下から簡単に潜れるスペースがあります。

上で書いた子取りがこちらでは色々な形で出没しますのでドキッとしました。ハノイのイオンモールでは日本人の子どもが不審者に声をかけられて連れていかれそうになったとかいう話もありましたので注意したいところです。子どもに何かがあったとき、私はかの親父パワーをどこまで出せるでしょうか。

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