ロシアとウクライナの戦争をベトナムから見ていますと国としてのスタンスやメディアの姿勢、国民の意識について感じることが色々あります。この手の話を書く時は色々神経を使いますが、今回は極力当たり障りなく書きたいと思います。
本衝突によるベトナムの反応
国連でロシアの非難決議が先日実施されましたが、141か国が今回のロシアの行動に反対を唱える一方、賛成は5か国のみ。ベトナムは賛成、反対のどちらでもない「中立(投票の棄権)」の姿勢を示しています。中立を表明をしている国は共産国が多く、ベトナムと関りの多い国では中国、ラオス、キューバなどが並んでいます。
参考文献:「ロシア即時撤退を」国連決議141カ国賛成、5カ国反対: 日本経済新聞 (nikkei.com)
さて、この中立の立場をとっているベトナムですが、この姿勢通りベトナム国内の報道では当武力衝突について起こっていることのみを淡々と報じているのみとなっています。つまりどちらかの国に対して批判的な意見を述べるような報道はありません。またウクライナにはベトナム系移民が多いということもあり、当地に住むベトナム人の安否を中心に取り上げられているのが印象的です。この記事を書いている時点で当地でのベトナム人犠牲者は出ていないようで、国が手配したベトナム行の飛行機で希望者は無事ウクライナ脱出に成功したようです。
今回ベトナムが中立の姿勢を示すのは色々な忖度をした結果かと思います。まず同じ共産圏で歴史的にも繋がりの深いロシアに対してあからさまに反対姿勢を示すのは具合が悪い、でも一方で多くの西側諸国とは今後も経済発展の上で敵対するわけにはいかない、というわけで「中立」ということなのかなぁと。今の立場と国益を考えると「そりゃそうなるか」となるのが私の感想です。(*因みに今回の国連決議で意思を示さない「無投票」というのがありますが、これはどういった意図なのでしょうか?)
日本も他人事ではないとは思うが・・・
報道を見ているとウクライナも一丸となって戦ってる感じですが、日本も他人事ではありませんね。当のロシアは北方領土の問題がありますし、度々領土で衝突する中国や韓国、何するか分からない北朝鮮などなど。結構な国に囲まれていることを実感します。ただ韓国は侵略してくる可能性はほぼない?かと思いますのでそれ以外の3国ですかね。可能性としては台湾と一緒に沖縄も纏めてやってきそうな中国が一番現実的でしょうか。
しかしいざそういう目に遭ったときに日本人はどう行動するでしょうか。いざ有事となったときに国民を鼓舞するような強烈なトップが出てくるのを期待したいですが、どうも昨今の様々な事象を見ているとそれも厳しい気がします。
ロシア人差別
こんな記事をみました。
「うわっ、ロシア人だ」小6女児は心無い言葉に涙した ウクライナ侵攻で子どものいじめの悲しい実態(1/4)〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)
子どもの世界に限らず大人でも在日ロシア人に対する嫌がらせがあるようです。どこの国でもあることですが、こういうのは本当に気の毒に思います。私も海外に住んでいる立場上、似たような目に遭えばすごく悲しいですし怒りも感じるでしょう。同じく仮に日本に住んでいたとして、私の子どもがベトナム人ということで差別を受ければどのように感じるでしょうか。私の子ども達には自分がハーフで生まれたことについて思い悩むことがあっても、前向きに考えられる心をもってほしいと常々願っていますし、そのためには私や妻の姿勢も重要だと思っています。
世界的に影響がある出来事でも国によって姿勢が異なるのはよくあることですが、実際にそういう異なる国で静観してみますと色々な側面が見えてきます。またそういうスタンスの違う国民と議論をすると大変興味深い意見を聞くことができ、自身の見識を深めるのに役立っています。