日本の介護問題に対するベトナム人の言葉

「若いときに一生懸命働いて老人になってから子どもや孫に介護してもらえず外国人に介護されるとは想定外だっただろう。」

こんなことを言うベトナム人がいました。彼はベトナム人介護実習生を派遣している経営者ですが、少し気になりましたので記事にしたいと思います。

ベトナム人が日本人を介護することについて

人手不足の介護業界で外国人実習生の役割は重要なものとなっています。外国人に介護されることに抵抗を感じる日本人もいるかもしれませんが、真面目に実習している外国人に対して好意的な人もたくさんいます。形としては日本で介護技術を学んで祖国の介護業に役立ててくださいといったところですが、実際に日本で介護を経験して複雑な心境になる実習生も多いんだとか。

というのも介護される人と家族の関係性について。日ごろから頻繁に家族が訪問してきて、介護しきれないところを専門の介護業者に任せるような感じであれば特に何も感じないようですが、施設に入って身内との接点がほとんどないような人に対してやはり色々感じてしまうそうです。これがベトナムであればほとんどの人から「気の毒な老人」という見方がされるわけで、実際の当人はその状況について何も思わないのだろうかと感じることがあるらしいです。

ベトナムの場合既に連れ合いを亡くしていても、子どもとか孫、兄弟姉妹やら甥姪など挙げだしたらキリがない身内が出てくるでしょうから、身内との接点がほとんどないというのはこちらの常識的にはあり得ないと感じるわけでしょう。そういう意味では日本の孤独死にも同じことが言えるかと思います。

ベトナムにおける今後の介護ビジネス

最近は日系の介護業者でベトナム進出しているところもいくつかあります。介護施設に入るのがまだまだ一般的とは言えない社会ですが、少子高齢化が確実視されていますので今後その手の需要は少なからず増えるでしょう。一方で家族的なつながりが日本のそれと同じペースで希薄化するかと言われるとどうでしょうか?ある程度経済発展や核家族化が進んだとしても自分の親の介護は子ども自身でしたい(しなければいけない)と思うベトナム人はまだしばらく続くのではないかと思っています。

ただ身内による素人介護は知識的、技術的に十分でないところが目立ちますので、そういったところを一通り学べるような機関があればそれなりにニーズがあるんじゃなかろうかと思う今日この頃。特にベトナム人の高齢者で認知症や各疾患に対する予防知識はまだまだ低いと思いますので、健康寿命を延ばすような取り組みのビジネスは面白い気がします。

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