公私ともによく「ベトナム語の発音をうまくするにはどうすればいいか?」という質問を受けます。私自身も決して完璧な発音ができるわけではないのですが、一応ベトナム人からも聞きやすい発音で話すと言われてますので、そこに至るまでの経緯と私見について紹介します。(因みに発音は北部の標準語になります)
綴りと発音を一致させる訓練から
発音が難しいと言われるベトナム語も一度その発音ができるようになれば、初見の単語でも発音に悩まされることはなくなります。英語であれば同じ[a]でも何通りもの発音(make/after/allなどなど)がありますし、発音しないアルファベット(rightのghなど)もあります。またアクセントも一定の法則こそあれ単語ごとに位置が異なります。初見の単語で正確な発音を知るために辞書の発音記号を調べる機会はいつまでもついて回ります。
一方ベトナム語については一つの綴りに対して発音も一つですし、声調も単語に盛り込まれていますので、迷う余地がありません。こういったことから一度発音をマスターするとその後の手間はなくなるのがベトナム語の特徴です。
まずは初歩の段階でベトナム語の1~10までの発音と綴りを一致させることをお勧めします。1~10まで何となく言える人は大勢いますが、いざ書いて下さいと言われると正確に書けない人がほとんどです。「この綴りだとこの音になる」ということの理解は必ず必要で、そこを無くして耳だけで聞いて正確な発音をマスターするのは大人の場合現実的ではないと考えます。最初は大変だと思いますが、発音の理解が進めば進むほど知らないの単語の発音を聞いただけで、正確な綴りの単語が書けるようになります。(一部例外除く)
苦手な音の洗い出し
いくらベトナム語の発音が難しいと言っても、すべての音の発音が難しいわけではありません。日本語と同じような発音のものもたくさんありますし、英語と同じ発音のものもたくさんあります。その中で自分が苦手な音、できない発音を洗い出し、徹底的に練習することでかなり改善されます。案外自分ができていない発音を分かっていない人は多いものです。何となく発音が悪いから通じないという感じている人は、具体的にどの音ができていないのかを知ることに努めましょう。それが分かると具体的な練習すべき音が分かるので学習も効率的に行えます。
で、どうやって洗い出すかですが、やっぱり身近なベトナム人か発音ができる日本人に聞いてもらって判断してもらうのが確実でしょう。無作為に単語を選び、順番に発音していきます。そこでこの音だと相手が聞き取れない、または分かりにくいという音を指摘してもらい、その音の訓練を集中的に行います。恐らく初めのうちはたくさんあると思いますので、一つずつ確実に潰していく地道な作業となります。この観点から単語の発音を知るための音源は必ず必要な学習リソースです。
ある程度発音が整うと相互補完が作用するようになる
それなりに発音ができるようになると、多少発音や声調が狂っても前後の単語や文脈で聞き手が正確な発音に勝手に脳内補正してくれますので、話し手は100%正確な発音で話さなくてもやり取りがスムーズに行えます(今の私はこの次元)。特に日ごろからよく話す人は自分の発音の特徴を分かってくれていますので、初めて会う人よりもより分かってもらいやすくなります。こんな感じでエラーと修正を繰り返しながら少しずつネイティブに近い発音を身に着けていきます。
ベトナムで有名な流暢にベトナム語を話す外国人
ベトナムで有名な白人女性でMicka Chuという人がいるのですが、彼女は非常に流暢なベトナム語を話します。発音はネイティブの話すそれと比べて多少違和感がありますが、同席しているベトナム人は問題なく理解しています。
一方こちらはCee Jayという人。この人のベトナム語は正直凄すぎ。ベトナム人が見ても話し方を含めて全部が上手すぎて笑ってしまうレベルです。これでベトナム歴10年ぐらいらしいので大したものです。私も10年以上かかってもいいからこれぐらいになりたいと思ってます。