先日結構長い付き合いのベトナム人の友人の妻が逮捕されました。一応家族ぐるみで付き合いがあるので私の妻もこの家族のことを知っています。自営業がらみの違法行為なわけですが、今回はその件についての内容と感じた部分について書きます。
突然の電話と不可解なお願い
元々ハノイで知り合って仲良くしてた友人。けど3年前ぐらいに北中部の故郷に帰って以降はあまり会うこともなく、年に1,2回ハノイに来た時に飲みに行くというような関係でした。特に去年以降コロナの関係もあり若干疎遠になっていたんですが、先日急に電話がかかってきます。
「お金が必要になったので日本で働きたい。何か紹介口はないか?」
今はコロナ禍で日本の就職状況も厳しい。ましてこの渡航制限下でわざわざベトナムから雇うぐらいなら日本にいるベトナム人を雇いたいと思う企業がほとんど。よほど特殊なスキルを持っていれば別ですが彼はそういうものを持っているわけではなく、正直厳しいと思います。
しかしそれ以前に私が気になったのは彼は故郷の実家で自営業をやっていて、それなりに売上も良好だったはず。家族もいるし今さら日本で働くとはこれいかに?
奥さんが捕まった過程
どうも腑に落ちないので、なぜ急にお金が必要になったのかと聞くと奥さんが捕まって多額のお金がかかったからと言います。逮捕に至った経緯は以下。
①奥さんも彼の実家で店を持っていた。取り扱いはベビー用品や日本の雑貨がメイン。登記、納税などしていない。
➁それ以外に様々な商いをフェイスブック上で宣伝していた。
➂警察が急に店に来て捜査、違反営業で逮捕。
④両家家族会議。罰金、留置所から出すお金、その他で800万円。
⑤車、土地などの資産を手放すも足りず、日本へ働きに行くことを決意。
①奥さんも彼の実家で店を持っていた。取り扱いはベビー用品や日本の雑貨がメイン。登記、納税などしていない。
引っかかるのは登記、納税をしていないという点。これはダメですがベトナムではよくあることです。最近は取り締まりも厳しくなっていて、ちゃんと整備した個人商店も増えていましたが田舎であればその辺はまだまだ適当なところも多いはずです。日本の雑貨を輸入するにしてもでっち上げの申告書を出していたそうで、その点も追及された模様。
➁それ以外に様々な商いをフェイスブック上で宣伝していた。
妻はこの奥さんとフェイスブックで友達になっていますが、いつも色々なものを販売していると言ってます。単なる仲介なのか分かりませんが、私の友人(夫)も自分の妻が何を販売しているかを100%把握はしていないと言っています。
➂警察が急に店に来て捜査、違反営業で逮捕。
本当に寝耳に水だったようで、友人もわけがわからず戸惑ったと言います。とにかく警察に言われて初めて分かったことがたくさんあったと友人は言います。
④両家家族会議。罰金、留置所から出すお金、その他で800万円。
捕まったのはともかく、かかった金額が高すぎないか?ベトナムで800万円って個人が受ける罰金額じゃないだろ?一体何やらかしたんだ??というのが私の率直な感想。このお金には留置場に入れないためのお金も含んでいるので法的な罰金額のみではないらしいですが、それにしても高すぎる。そんなレベルの罰金を食らうほどの収益ビジネスはしていないと思っていましたが。。。
⑤車、土地などの資産を手放すも足りず、日本へ働きに行くことを決意。
元々日本で働いた経験も有る友人ですが、なかなか厳しい額です。まあこういう理由で日本に働きに行くということについて色々な意見がありそうですが、ベトナムの一般的な収入のみではかなりキツイでしょう。
金額の高さの理由
これは妻の推測ですが、以前フェイスブックで日本円とベトナムドンの両替を請け負う広告を出してたのでそれが原因ではないか、と。確かにベトナムでは認可を受けていない両替は厳しい罰則が課されます。またその両替を請け負った金額もそれなりの額(日本で就労して稼いだ額を両替するので数百万円単位)であったようなので、その辺りの総額が反映されたのではないかと言います。
違法な両替商が50万円ぐらいの罰金にあったというニュースは見たことがあるんですが、それにしても上の額には全然及びません。私に対して友人が全て話したとは限りませんし、恐らく他にも何かあるのでは?というのが私と妻の見解。今回の件が本人にとってこういう可能性があることを自覚した上でやっていたのかどうかは分かりませんが、どちらにしても決められたルールの範囲外のことをやるというのは相応のリスクがあるということです。
たまにベトナムでビジネスをしている日本人でも変な「コネ」を自慢している人がいますが、そのコネからそっぽ向かれるとそれなりのしっぺ返しが待っているということを自覚しているのか疑問です。どちらにしても悪いことはするものじゃありません。