ベトナム人妻が本領を発揮するとき

菅総理が辞任を発表してから数日。地味ではありましたがそれほど悪いというわけでもなく、まあ就任の時期に恵まれていなかったというのが一番気の毒なところでしょうか。とりあえずお疲れさまでした。就任当初は国民の自助を促すなんて話題が取り上げられていましたが、この部分については特に変化がなかったように思います。

ベトナム人の自助精神

ベトナムに住んでいますと自助ってのは正にベトナム人みたいなことを指すんだろうなと思います。たとえ失業者が相当数に達してもしばらくは自分たちで何とかするだろうから、今回のように長期のロックダウンも政府ができるのではと感じています。まあ自助と言っても本当に個人で何とかするというよりは国に頼らず生き抜くといった感じです。失業してホームレス、なんてことはベトナムでは滅多にありません。大概は身を寄せる家族や身内がありますので、こういう有事の際には結局家族のつながりが光るんだなと肌で感じます。日本のネットカフェ難民というのは正に日本の家族関係の希薄さを象徴する現象かと。

〇〇〇〇号室という商業施設

自助という意味では私の住むマンションが一つの単位として自助しています。外に自由に出られない、これが欲しいけど買いにいけない、

「じゃあ臨時でマンションの住民がそれぞれ販売すればいいんじゃん♬」

ってことで各部屋で色々なものが売られています。同じフロアの家では元々オンラインで子供服を売ってましたので子どもの服はそこで調達。マンションのFacebookコミュニティでは各部屋ごとに何が売られているか掲載されてますので、それを見て生活に必要なものが調達できます。

洋食屋でシェフをしている住民はコロナで失業、ロックダウンで就職活動もできず。てことで自分の家で焼いたピザを販売していて、これが住民から大好評。他にもフォーやブンチャー、焼き飯、おかゆ、バインミー、チェーなど定番の昼ごはんもマンション内での即席出前として機能しています。妻も調達した食料で毎食作ってはいますが、そういった出前は楽で本当に助かるようです。日本人的な感覚だと食べ物売るのに許可いらないの?と感じますが、ここはベトナム。ニーズがあれば何でも成り立ちます。ベトナム人必須の果物もそれぞれの部屋で手に入りますし、ちょっと魚介類が食べたいなと思えば鮮魚や貝を取り扱っている部屋もあります。

食材の安全面が気になりますが、妻曰く

「変なものを売ってしまうと噂が一気に広がって、マンション内で村八分にされちゃうわよ。だからむしろ誰が作ったか分からないものを外で買うより安心できるのよ。」

とのこと。うん、そういう考え方は確かにベトナムでは正論だと思います。

やっぱり妻もベトナム人

私の妻はオンラインで日本の化粧品を販売していますが、ロックダウン下で住民も外に買いに行けないこともあり、いつも以上にマンションの住民から注文が入ります。外出をしないといってもスキンケアをする女性は相当数いますので、そういったケア製品の売れ行きが好調とのこと。またこれを機に一回スキンケアの製品を見直してみてはと売り込む我が妻。大阪人の私顔負けの商売人です。

更に売れると分かれば色んなものをどんどん調達します。元々妻の実家や身内は自営で色々取り扱っているので、そこで売られている物についてマンション内で購入希望者を募り、希望者数が確定すれば取り寄せて販売します。これは実家、身内にも売上貢献ができて、せどりが自分にも入ってくるという正に家族での自助。ある時は花を、ある時はザボンを、そしてある時はベトナム式餅を臨時販売していました。他にも段ボールに入ったよく分からないものを調達していましたので、なんだかんだ販売しているのだと思われます。

ロックダウンに入ってから明らかに販売量が増えている妻。

妻「今日は200万ドン(≒1万円)ぐらい稼げちゃった(#^^#)」

二人の子どもを世話しながら家事をやりつつ稼ぐ。ロックダウンに入って以降ベトナム人妻の本領をどんどん発揮しています。

私が主夫しましょうか?

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