ベトナムがバイク大国であることは言うまでもありません。最近では自動車もかなり普及してきましたが、それでもほとんどの人にとって日常の足はバイクです。たとえ車を持っていたとしても走る場所や時間帯によってはバイクのほうが便利なので併用しているのが普通です。今回は性別から見るバイクの運転についてお話します。
男性向けバイク、女性向けバイク
ベトナムで一番のシェアを誇るバイクメーカーはHONDAです。昔は「バイク」というベトナム語「xe máy」が「HONDA」に代用されていたぐらいのシェア率でした。私が普段使用しているバイクもHONDA製ですが、一応ベトナムでは一般に男性用、女性用と認識されているバイクがあります。
これはマニュアル式ではなくオートマに限ったものですが、跨るタイプのバイクは男性用、脚を閉じて乗るタイプのバイクは女性用とざっくり識別されます。
女性がオートマの跨るタイプのバイクを乗っている場合、同じ家族で男性が使っている(た)ものを使用している可能性が高く、新車で女性が跨るタイプのバイクを買うことはあまりありません。一方男性はその逆でHONDAに限って言うと男性がオートマで脚を閉じて乗るタイプのバイクを買うとすると、SH型のものが大半となります。
バイクは男が運転すべきもの
男女のペアがバイクの二人乗りをする場合、男性が運転するケースがほとんどで女性が運転する後ろに男性が乗っている光景を見ることはめったにありません。というのも運転する際の重量などによる体力的な面もあるのですが、それ以上に女が運転する後ろに男が乗っているという絵面が格好悪いという感覚があるからです。
例えば何かしらの状況下で女性が男性をある場所にバイクで迎えにいったとしましょう。落ち合ったあとはたとえそのバイクが女性のバイクであったとしても、男性と運転を交代することがよくあります。そこが見知らぬ土地であったとしても女性が道案内役になり、男性が運転します。
また飲酒後であったとしてもよほど男性が泥酔状態などでない限り、シラフのベトナム人女性は飲酒した男性にバイクを運転させます。この辺りの意識は今後改めていったほうがいいと個人的に思っていますが、それぐらい男を後ろに乗せて女がバイクを運転することに抵抗があることが読み取れます。
こんな事情からバイクに乗れない男はベトナム人女性から見て恋愛対象外になりやすくなります。たとえ移動はマイカーまたは常にタクシーを使えるほどお金を持っている人であってもその見方は変わりません。外国人であれば仕方がないと思える人もいるでしょうが、まあ男を査定する上で大きな減点要素にはなるのかと。一般の日本人に当てはめると「自転車に乗れない男」みたいな位置づけなんだと思います。