小学生が列をなして登校している光景は日本の日常です。こんな環境で育った私は特に何も感じることはなかったんですが、ベトナムの学生の登校風景を見ていると色々考えさせられます。今回はそれぞれの登校について記事にします。
日本の集団登校の良い点
規律遵守の気持ちが養われる
大人がいない中でみんなが決まった時間に集まって隊列を作って登校。何とも日本らしいですが、これも一つの集団活動を学ぶ場かなぁと思います。同じ地区に住む者同士の交流も兼ねていたんじゃないでしょうか。
年齢に応じた役割の自覚
多分どこの地域でも集団登校の班長がいると思いますが、大概は最高学年(小6)が務めているのではないかと。1年生から6年生までいる集団の中で自分の立ち位置を毎日の登校を通じて自覚する場面でもあったように感じます。
安全面
日本の道路はベトナムと比べれば安全ですが、低学年の子どもにとっては集団で登校したほうがやっぱり安心でしょう。あと各ポイントごとに保護者やシニアのボランティアが旗を持って誘導していたりもしますので、かなり安全な環境で登校していると思います。不審者に対しても一人よりかは集団のほうが絶対安全でしょうし。
ベトナムの登校とは
小学校はよほど近いところに住んでいなければバイクで保護者が送り迎えしています。なので登下校時の学校の周りにはともすれば交通に影響をきたすほどバイクが屯しておりまして、初めて見たときは自分たちで登校できないのか?と思ったものでした。まあ長い間ベトナムに住んでいればそれも仕方がないかと思うようになりまして、以下にその点を書いていきます。
道路が危なすぎる
もともと歩行者のために作られた道が少ないので、子どもたちの通学路に歩道がないなんてことは普通にあります。また歩道があったとしてもガードレールといった類はありませんので「歩道=安全」という概念はありません。歩道に車やバイクを停めてあるのも普通ですし、歩道の上をバイクが走ってくるというのも当たり前の世界です。
歩行者優先の世界ではない
ベトナムの交通は力が強い者が優先されるので、歩行者は一番遠慮しなければならない存在です。なので歩行者のために止まってくれるなんてことはありませんし、邪魔なら容赦なくキレられます。そういった世界で交通の状況判断を小さい子どもにさせるのは酷な環境なのです。
子取りの存在
冗談抜きで子取りが今も存在します。ハノイなどの都市部では比較的少ないと言われていますが、それでも子どもの誘拐事件はよくあります。現在は誘拐して身代金を要求しても上手くいかないという常識が広まったため、身代金ではなくそのまま外国へ売り飛ばすという輩が増えていますので性質の悪い話です。交通事故も怖いですが、この手の犯罪は親にとって一番怖いところです。ですので通学に限らず、子ども一人しかいない環境で遊ばせるということはさせません。
こんな感じで登校について書きましたが、それぞれの環境や社会事情が反映されているなぁと思いました。ベトナムも子どもたちが自分で歩いて学校に通学できるような環境になるといいですが、中々難しいと思われます。